市場で年末展示会最盛期、高騰ラッシュも特色に知恵

2017年10月5日

木船に載せられた色とりどりの石川県産の鮮魚は注目を浴びた

 2017年の年末商戦を控え、全国の卸売市場で水産卸が年末商品展示会を続々開いている。9月12日、9月26日に続く第3のピーク日を3日に迎えた。展示会シーズンも折り返し地点を過ぎ、定番魚種の例外なき“高騰ラッシュ”を特色ある提案で補おうと知恵を絞る構図がみえてきた。

 年末は魚が売場の花形になる、本来なら積極攻勢に転じたい時期だが、今年は様相が違う。カニやイクラ、タコに代表されるように関連商材が何もかも高い。そのため、展示会では定番品が顔見せ程度にとどまっている。それに代わりスペースを広げたのが、各市場の特色を生かしたアイテム群。周辺に産地を抱えている市場では特に、正月商材との関連が一見薄くても、地域に根付く鮮魚や加工品を再発掘しようとする動きが盛んだった。

 天然魚に集荷の多くを頼ってきた市場では、空前の漁獲不振への対応を余儀なくされた。販売先の安定供給のニーズに冷凍・養殖・加工品に新たに手を出してでも応えていく姿勢が鮮明だった。

 簡便、即食といった消費者ニーズに沿った商品はますます増加。健康を訴求できるアイテム数の急速な膨張ぶりが目についた。それしか突破口がないのが、水産業界の現状といえるかもしれない。[....]