山口長官「流通も変え所得向上」、新旧水産庁長官会見

2019年7月9日

長谷前長官(右から2人目)、山口長官(左から2人目)、保科次長(右端)、黒萩部長

 水産庁の山口英彰新長官は8日、長谷成人前長官、保科正樹新次長、黒萩真悟新増殖推進部長とともに水産庁で就任会見を行った。山口新長官は水産改革の実施に向けては「改革を実行する漁業者に納得してもらうことが大切」としたうえで、改革の実践者である漁業者に引き続き丁寧な説明をしていく考えを表明した。また、今後の課題として「漁業者の所得向上」を挙げ、「生産の仕組みだけでなく流通構造も変えていく」とし、「水産庁のチームワークで総力を発揮したい」と抱負を述べた。

 長谷前長官は、「将来を見据えて今やるべきだとの思いで、水産改革の基礎づくりを進めてきた。改革の遂行に向けて今回、またとない人事をしてもらった。現場をもった現業官庁として、現場の実情を踏まえた運用を着実に進めてほしい」と後を託した。

 2年間の次長経験を経て水産改革の総仕上げを担う山口新長官は、「敷いていただいたレールを着実に実行することが重要。漁業者ときちんと丁寧に話し合いながら進めていく」と抱負を述べた。課題に挙げた「漁業者の所得向上」は、「背後地にいる流通や加工の方と一体となった浜の活性化が大切」とし、所得向上に向けて生産だけでなく流通構造の改革も進めていく姿勢を打ち出した。[....]