尾鷲物産が「浮沈式沖合大型イケス」の養殖ブリ初出荷

2018年3月5日

新日鉄住金エンジニアリングが開発した「浮沈式沖合大型イケス」から出荷さ れる養殖ブリ      

 尾鷲物産(三重県尾鷲市、小野博行社長)は1日、新日鉄住金エンジニアリングが開発した業界初の「浮沈式沖合大型(鋼構造)イケス」で生産したブリを初出荷した。沖合での養殖海域拡大、イケス大規模化、生産効率化を可能とする養殖技術に向け、尾鷲物産は成果を踏まえ生産拡大を進める。
 尾鷲物産と新日鉄住金エンジニアリングは昨年2月に、JF三重外湾漁協、JF尾鷲漁協などの協力を得て、尾鷲市須賀利地先(尾鷲港から約8キロ沖)の水深約60メートルの海域に、沈下状態で波高7メートル、潮流2ノットに耐える幅30メートル、深さ20メートルの浮沈式沖合大型イケス2基を、海面から20メートルの海中に設置。3月に1・5キロのブリ4万尾を池入れし1年間、養殖実証試験を行ってきた。ブリは中心サイズ5・7キロまで順調に成育し、初出荷を迎えた。鋼構造の浮沈式大型沖合イケスによる養殖としては業界初の成果となる。
 小野社長は「小割式イケスの高品質のブリと、成長度合いや歩留まり、身質に遜色はない。予想以上の品質の高さで、大きな可能性を感じる。実証試験後も事業の継続に向け取り組みたい」と話す[....]