卸売市場制度の改革提言(全文) 

2017年11月28日

 [1]はじめに

 食品の流通は、安全で良質な食品を生産者から消費者まで、需要に応じて安定的に供給する役割を担っており、その機能を適切に発揮するため、卸売市場制度をはじめとする様々な施策が講じられてきた。

 なかでも、卸売市場に関する法制度は、大正12年に制定された中央卸売市場法に端を発する。現在の卸売市場法はこの骨格を維持しつつ昭和46年に制定されたものであるが、卸売業者が生産物を集荷し、仲卸業者が分配するという明確な役割分担のもと、せりを原則とした公正な価格形成を通じて、生鮮食料品等を消費者に円滑かつ安定的に供給するための基幹的インフラとして卸売市場が位置付けられ、実際に、全国各地において、多くの市場が整備され、その機能を発揮してきた。[....]