南北一対の新漁港が沖縄・北大東島に来年2月に完成

2018年12月13日

 沖縄県・北大東島に建設中の漁港(南大東漁港・北大東地区)が来年2月に開港式を迎える。部分的に供用を始めていたが本格的な供用開始となる見通しだ。北大東島には漁港はなく、漁船はクレーンで引き上げる必要があったが、同漁港の完成により、そうした労力は軽減、島民の悲願となっている漁港の本格運用が近づいてきた。

 台風で有名な南北大東島。大型台風が直撃すると高い位置まで波浪が押し寄せる。北大東島に建設中の漁港は、すでに供用開始している南大東島の漁港と「南北一対」という位置付けだ。南北で港口の方角を変えており、台風や大型低気圧の来襲が予想される場合には、それぞれが避難港となる。
 漁業はマグロやサワラ類の一本釣り、東沖にはソデイカの好漁場もある。一本釣り漁船は最大でも3?5トンと小型で、台風や冬季波浪により出漁できる日が少なくなる。現在は漁港が存在しないため、漁船はクレーンを使って陸揚げしている実情がある。

 新漁港の大きな特徴は、陸側の掘り込み式工法の採用。海岸が断崖絶壁にあることに加え、わずか数十メートル先でも水深は数百メートルまで急激に深くなる。施工性や経済性、安全性などを考慮し、陸側を掘り込んで建設する方式にした。構造的には、港口から第1泊地、第2泊地、第3泊地を整備。それぞれ100トン、20トン、5トンクラスの漁船が係留することが可能で、第1泊地には漁業取締船の常駐を求める考えもある。[....]