[1082]北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)第27回年次会議の結果について

2019年8月30日

 北太平洋のサケ・マス資源の保存を目的として、北緯33度以北の公海でのサケ・マス漁業の禁止を主な内容とした「北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約」が1993年に発効し、我が国のほか、アメリカ、カナダ、ロシア、韓国が、この条約に加盟しています。

 例年、この条約に基づく「北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)」の年次会議が開催されており、本年の第27回年次会議は、5月13日から17日まで、アメリカのポートランド市で開催されました。年次会議では、条約水域における取締活動やサケ・マス資源に関する科学調査協力について議論しています。

 取締分野の会議では、2018年における加盟各国のサケ・マス資源の違法操業の取締実績について報告が行われました。加盟国による取締活動は、取締船延べ100日以上、航空機で延べ400時間以上実施されました。

 科学調査分野の会議では、北太平洋におけるサケ・マス資源に関する調査活動について各国から報告が行われ、北太平洋のサケ・マス資源は、全体としては高い水準にあるものの、西部においては2005年以降、日本の漁獲量が減少し、ロシアの漁獲量が増加していることなどが報告されました。

 また、国際サーモン年(※)の取り組みについて、本年2?3月に実施された加盟国の研究者による航海調査などの報告が行われ、引き続き、活動を推進することで一致しました。

次回の第28回年次会議は、来年5月18日から22日までの日程で、函館市において開催される予定です。

 (※)国際サーモン年:NPAFCは本年を国際サーモン年として定め、北大西洋サケ保全機構(NASCO)と協力し、サケ・マス資源の保存活動・科学調査活動や、これらの普及活動を推進。

(水産庁国際課)