動き出した浜プラン?/漁業自体を商品化、兵庫県坊勢

2017年8月23日

中央には活魚水槽もある、大好評の「とれとれ市場」

 瀬戸内海で唯一、人口が増え続け、所属する漁師の平均年齢が日本一若い島。姫路市街から約18キロ沖合、家庭の約7割が漁業に従事している島「坊勢(ぼうぜ)」である。坊勢では水揚げされる多種多様な水産物を、引き続き全般にわたり無駄なく販売していくことに活路を見いだすことにした。

「直接販売」「水産加工品開発」「品質向上」を主な柱とする浜プランが2014年に策定。15年には本土の妻鹿漁港に直販所である「JFぼうぜ姫路とれとれ市場」が開業した。「とれとれ市場」でさまざまな形態(食材、中食、外食)で水産物が提供され活魚、鮮魚、冷凍品、加工品といった高鮮度調理用食材から、中食用惣菜として天ぷらや刺身などがカテゴリー別のコーナーで展示販売された。

 取り組みはここで止まらない。一部活魚を透明な円筒水槽に入れ、泳いでいる美しい姿を周囲360度見えるようにし、透明水槽を棚田のように設置することで水族館の様相を醸し出し、集客力や魚に対する注目度を高めた。一般の消費者にとって洋上での漁業活動を直接間近で見ることはまれなこと。ここに価値を見いだし「漁業」自体、「漁村の風景」という浜の資源を商品化。現在「定置網漁業見学&ぼうぜ鯖餌やり体験」と「渚泊」をセットにしたツアーが計画されている。[....]