刺身マグロ6年ぶり30万トン割れ、水産庁需給見通し

2017年12月15日

 水産庁は13日、11月の2017年度第3回まぐろ需給協議会(座長・婁小波東京海洋大学教授)によるマグロ需給見通しを発表した。今年の年間供給量は28万9000トンとなり、東日本大震災が発生した11年以来の30万トン割れを見込む。メバチなど赤身商材の減少が響いたとみられる。

 10?12月の全体の見通しは、生産量はやや減少、輸入量は横ばいで、供給量全体は横ばい。卸売価格は強含みで推移すると見込まれる。西経漁場の漁は、例年10?11月は数量が見込めるが、期待できず、現在は一日1トン程度。インド洋はジャワ沖が始まったが、漁獲量が少なく、一日1トンに満たない船もある。大西洋では10月からアンゴラ沖が始まったが、1トン未満の日が続いている。モーリタニア沖は好調で、アイルランド沖のクロマグロ漁は短期間で漁獲枠を消化した。

 輸入は赤身が太平洋、大西洋、インド洋の各漁場で総じて一日1トン以下の漁獲。海外の加工業者が原料を求めており、海外での水揚げが増加し、日本に輸入される赤身は減少する見通しだ。
w 卸売価格は、赤身の主力であるメバチの強含みが続いている。供給量が少なく、9?10月は高騰。11月後半か上場本数が増加、わずかに弱含んだが、年末の最需要期に向け、商材が不足する予想も。[....]