冷凍ビンナガ25トンEUへ初輸出、塩釜の明豊漁業

2019年7月16日

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塩釜で陸揚げされるEU輸出向けの冷凍ビンナガ

 塩釜市の明豊漁業?(松永賢治社長)は11日、所有船が生産した冷凍ビンナガマグロ約25トンを欧州連合(EU)へ初輸出した。国内に限られていた販路を海外にも広げ、魚価と経営の安定化を図る狙い。「ハードルが高い」とされ、まだ事例が少ない欧州輸出を実現した意義は大きく、同社は「世界基準で戦える体質に転換し、日本の漁業界全体を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 遠洋竿釣り船・第22明豊丸(499トン)の生産品。北太平洋における40日間の航海で漁獲した、カツオを含む約420トンのうち、特に品質に優れた約25トンのビンナガで、缶詰原料として丸の状態のまま輸出した。水産庁によると、従来は加工前の丸魚をEUへ輸出することはできなかったが、今年5月の制度改正で可能になり今回が「記念すべき1例目」だという。

 EU輸出を行うには衛生管理などに関する厳格な基準をクリアする必要があるが、第22明豊丸は今年4月に遠洋竿釣り船で初めて認定を取得。並行して進めた現地缶詰製造業者との商談も成約し、欧州輸出が実現した。松永社長によると、商社などは介さず、明豊漁業がダイレクトで輸出した。[....]