全水加工連が野村貿易と合弁会社、加工連販売を清算

2017年4月11日

 再生計画により再建中の全水加工連(東京都中央区、中山嘉昭代表理事会長)は10日、水産庁記者クラブで会見し、同じく再建中の全水加工連販売?(斎藤豊社長)の再建計画を推し進めるため、総合商社の野村貿易?(東京都港区、宮下勝成社長)と合弁会社ゼンスイ野村フーズ?」(仮称)を設立すると発表した。「で、6月の通常総会で承認を得たあと、10月1日の営業開始を目指す。
 中山会長は、今月3日に両社間で基本合意に達したことを伝えたうえで、「加工連販売の実力を考慮すれば、まだ体力のあるうちに弁済を終えたかった」と胸の内を明かした。

 同席した佐々木康弘参事によると、銀行団にこの3月で6回目の弁済を終えた時点で、残されている債務額は全水加工連が約8億円、加工連販売が約20億円。うち加工連の債務は加工連販売を売却して5億6000万円の戻りができることから、今年中に一括弁済を終える見通しだが、「この先、現状と同じ規模で営業できない」と判断。長い取引があり、海外加工などの共通事業も多い野村貿易に、実質的に買収される形で加工連販売を清算することがベストと判断。昨年から、加工連販売の原料在庫や什など資産を約20億円で野村貿易が買い受け、その調達した代金を残りの債権額の弁済に全額引き当てる。加工連販売は清算されるが、新会社に仕事を引き継ぎ約20人の従業員も全員移籍する。

 新会社の資本金は9750万円で、出資比率は野村貿易86%(8385万円)、全水加工連14%(1365万円)。取締役は野村側から2人、加工連から1人とし、代表取締役社長は野村から派遣。

 原料供給と国内外への販売や委託を含めた海外加工などで、4年かけて100億円を目指す。[....]