久井 惠之助氏(ひさい・けいのすけ=元ニチロ[現マルハニチロホールディングス]社長)

2011年11月22日

11月15日、肺炎のため死去、77歳。
葬儀は近親者で行われた。

昭和9年5月12日、大阪・豊中市出身。父は大阪魚市場(現OUGホールディングス)の元社長、久井四十一氏。高校まで大阪だが、大学は慶応。「慶応山岳部出身」を自称し、生涯山男。33年旧日魯漁業入社。以来、50年にわたり、漁業会社から総合食品会社へ転身する名門ニチロを先頭に立って牽引した。

入社間もなく名古屋営業所の立ち上げに関わる。水産事業、食品事業の新規事業開拓から、広げすぎた事業の閉鎖など会社経営の変遷も経験。48年のオイルショック後は、実質銀行管理の無配が続いた。この間、55年水産部長、59年東京支社長、61年取締役を経て、平成7年、21年ぶりに復配を果たした浦野省吾社長の跡を継ぎ、21年ぶりの生え抜き社長に就任。

9年の金融危機を乗り越え、「そばめし」ヒットにも恵まれるなど、常にピンチに強い経営手腕を発揮。14年に会長。15年から20年まで顧問。また、15年から大阪魚市場(現OUG)の取締役を務め22年から顧問。?二葉でも20年から監査役、23年から顧問。

公正、的確な判断力と実行力を兼ね備え、竹を割ったような豪快な気性ながら面倒見がよく業界きっての人望を集めた。水産受難時代の“ご意見番”としての発言が期待されていただけに、急逝を惜しむ声は大きい。

お別れの会は、平成24年1月26日(木)午前11時30分から午後1時まで、東京會舘(東京・千代田区丸の内)9階ローズルームで行われる。

問い合わせ先はマルハニチロホールディングス秘書室(電話03?6833?4143)。