中国のサンゴ密漁漁船取り締まれず、沖縄近海で緊張高まる

2014年12月11日

領海侵犯で現行犯逮捕に向かう海上保安官(手前の船)、中央は中国の密漁漁船。写真提供:第三管区海上保安本部

領海侵犯で現行犯逮捕に向かう海上保安官(手前の船)、中央は中国の密漁漁船。写真提供:第三管区海上保安本部

 2か月以上にわたって小笠原諸島近海で“違法操業”を行ってきた200隻もの中国サンゴ密漁船が、中国へ戻った。同水域は一応、平穏が戻り漁業者はひと息ついた。ところが、沖縄の漁業界では逆に警戒感が強まっている。小笠原諸島近海から引き上げた中国密漁漁船団が再び沖縄近海へ舞い戻り、密漁を繰り返す懸念が出てきたからだ。

 海上保安庁、水産庁は厳しい監視を続けているが、沖縄の漁業界では「早急に日中漁業協定交渉を開いて、実効性のある防止策を講じてほしい」と訴えている。11月19日に成立したサンゴ密漁罰則を強化する改正外国人漁業規制法・漁業主権法は12月7日から施行された。

 密漁とは法律を破ってひそかに漁をすることをいう。ところが、中国漁船は昼夜を問わず小笠原諸島近海で堂々と操業。ピーク時には200隻を超す大船団が、“宝石サンゴ”を採りまくった。これはもはや“密漁”ではない。不法な“略奪”である。これほどの大集団の密漁船が一度に違法操業を行ったのは初めてのケースである。

 大切に資源保護に努めてきた小笠原諸島近隣漁業者が怒るのは当然である。海上保安庁や水産庁などの関係省庁は連携して巡視艇・取締船を増派するなどで監視、取り締まりにあたったが、EEZ(排他的経済水域)や領海内でわが物顔に操業する中国漁船はあまりにも多く、追い払い、取り締まるのに投入された取締船では十分な対応はできなかった

■「生ぬるい」「弱腰」の声

 事態を重視した日本は外交ルートを通じて岸田文雄外務大臣が「日本近海での違法操業は極めて遺憾。中国国内で取り締まりの実効性を上げることが重要であり、関係当局間の連携を強化したい」と中国側に伝えた。これに対して中国の王毅外交部長は「中国も必要な措置を取っている」と語った。

 EEZ、領海は国際的に認められたもの。国益・主権を守るためにも、外国漁船の違法操業は厳しく取り締まるのは当然の措置だ。日本漁船はこれまで他の沿岸国からEEZや領海を犯したとの理由で拿捕され、乗組員の長期抑留、船舶・漁獲物の没収、多額の罰金支払いなどを余儀なくされたケースを数多く経験してきた歴史がある。銃撃を受け、命を落とした乗組員もいる。自国の“権益”“国益”を守るために各国は厳しく対応している。

 これに対して日本はどうか。今回の中国サンゴ密漁船には土足で踏み込まれ、貴重な資源をもぎ取られても「すぐに退去せよ」と警告を発するのが精いっぱい[....]