上半期水産物輸入が原料不足で急回復、輸出はブレーキ

2017年7月31日

 財務省が28日に発表した6月の通関統計によると、水産物(非食用を含む)は輸入、輸出とも前年同月を上回り、特に輸入は急速に回復してきた。近海魚の不振などで国内の原料不足を補う必要が強まったとみられ、逆に輸出は供給不足が募ってブレーキがかかりつつある。
 6月の輸入実績は20万3195トン、1424億8400万円で、昨年の同じ月を数量12・4%、金額16・0%とも大きく上回った。増加は4か月連続となった。上半期(1?6月)では117万3510トン、8109億9200万円に達し、2年ぶりに半期で8000億円台を回復。前年同期比では数量が4・4%増え、金額も7・2%伸長した。
 米国ベーリング海やロシア極東で回復した冷凍スケコ(前年同期比24・5%増)や北米の冷凍ニシン(19・4%増)、アイスランド主体のカラフトシシャモ(8・7%増)、米国産のスケソウスリ身(22・7%増)など。主力のサケ・マスがチリ産ギンザケの減少や生鮮アトランティックの失速などで7・5%減少したほか、マグロ類も、冷凍物が昨年より4・6%少ない10万トン割れ。
 一方輸出実績は5万6398トン、275億5746万円で、昨年同月と比較して数量は3・3%増えたが、金額は1・7%減少した。[....]