ミンク捕獲1頭目、太平洋沿岸域調査で鮎川に水揚げ

2019年4月10日

鮎川港にクレーンで水揚げされるミンククジラ

 北西太平洋のミンククジラの生息状況などを調べるため、地域捕鯨推進協会などが実施している調査捕鯨で8日、1頭目のミンククジラが捕獲され、宮城県石巻市の鮎川港に水揚げされた。

 捕獲されたのは小型のオス1頭。体長約6・3メートル、体重約2・9トンの未成熟の若い個体で、鮎川捕鯨(石巻市鮎川)の第3大勝丸(1トン)が県南の山元町の沖合20キロで発見・捕獲した。

 港に隣接する解体所に運ばれ、体長の計測やDNAサンプルとして皮膚、年齢調査のため眼球の水晶体などの採取が迅速に行われた。食性を知るため胃も調べたが、内容物は確認できなかった。

 調査団長を務める同研究所調査研究部の磯田辰也主任研究員は「個体の年齢や性成熟の情報は、商業捕鯨の漁獲枠の算出に必須のもの。可能な限り多くの有用なデータを集めたい」などと話した。

 太平洋沿岸域調査は、2017年から開始された国の「新北西太平洋鯨類科学調査計画」の一環。ミンククジラが対象で、群れの再生産性の把握に主眼を置いている。5月に青森・八戸沖、6月に北海道・網走沖に拠点を移し、最大127頭捕獲し調査する。鮎川港では今月下旬まで。日本は昨年末に国際捕鯨委員会(IWC)を脱退、今年7月から商業捕鯨を再開するため、最後の調査捕鯨となる。[....]