ホシガレイほっとけ飼育で量産化、東北区水研が報告

2019年2月22日

新技術導入で生産されたホシガレイ種苗(東北区水研宮古庁舎)

全国豊かな海づくり推進協会が主催する 今年度の種苗生産機関技術研修会が20日、東京・内神田のコープビルで開催された。この中で水産研究・教育機構東北区水産研究所は、ホシガレイの種苗生産コストが、従来から約75%削減できたことを報告。量産化にも成功し、2018年は岩手、宮城、福島の東北3県で約50万尾の大量放流を行った。

 大幅なコスト減には親魚養成と種苗生産、中間育成の3工程で確立された技術が集約された。親魚養成で発生したアンモニアは、生物ろ過槽の微生物で毒性の低い硝酸に硝化させ、閉鎖循環飼育を実現。冬季の加温に用いる重油代を10分の1に削減しつつ、良質な受精卵も確保した。種苗生産には、稚魚水槽内で餌のワムシも一緒に培養する「ほっとけ飼育」を採用し、人件費を大幅に削減した。

 60日間の累計作業時間は、従来法の870時間が300時間となっている。食欲増進で成長を促進させる緑色LED光照射の効果は、8センチの放流サイズまで90日間の中間育成期間を加温なしで70日まで短縮。人件費14%減に匹敵する。

 一尾当たりの種苗生産単価は、従来法で181・9円だったが、新技術の導入で109・3円となり、約40%減を達成した。新技術導入と量産化で40・4円まで削減された。[....]