スルメイカ2系群が要管理の水準、水産機構が資源評価

2018年12月3日

 水産研究・教育機構は11月29日、横浜市のクイーンズタワーで2018年度スルメイカ資源評価会議を開き、秋季発生系群と冬季発生系群の最新の資源評価を報告した。両系群ともに減少傾向で、Bリミット(下回ると回復措置を取る必要がある水準)を下回り、資源減少の深刻さが改めて指摘された。3年連続の大不漁に陥る中、明るい兆しがみえない状況となっている。
 日本海を中心に漁獲する秋季発生系群の資源水準は「中位・減少」。18年の資源量は67万トン(前年91万9000トン)、親魚量は31万7000トンと推定され、Bリミットの42万4000トンを下回った。19年の生物学的許容漁獲量(ABC)は3万1000?4万9000トンと算定。
 17年の漁獲量は日本が3万3000トン、韓国が5万2000トンで、韓国の比率が60%以上。
 同系群は00年以降、1990年代に比べ再生産成功率(RPS)が低下している。秋季の高水温化などが要因だが、韓国以外の外国漁船の漁獲を考慮していないため、親魚量が過大推定され、RPSが実際より低く見積もられていると考えられている。増加する外国漁船の漁獲が不明であることで、RPS推定値の不確実性が高まっている。太平洋を中心の冬季発生系群の資源水準は「低位・減少」。2018年の資源量は15万3000トン(前年22万5000トン)となり、過去最低だった1985年に次ぐ水準まで激減している。[....]