スマホで養殖タイの餌管理、ウミトロンがシステム開発

2017年4月20日

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スマホで養殖魚の摂餌状況をみながら給餌調節ができる

 ベンチャー企業のウミトロン(東京・江東区、藤原謙代表取締役)は自動給餌機に取り付けたカメラを通し、遠隔地でリアルタイムに養殖魚の摂餌状況をみながら、餌の量を調整できるシステムを開発した。スマートフォン(スマホ)などで確認し、餌食いが悪ければ携帯端末の操作で給餌機の稼働を止められる養殖業者は「餌を無駄なく使え省力化も含めた経営改善が図れる」などと評価している。

 実証試験を行う愛媛・愛南町は国内で流通される養殖マダイの約2割を生産する。人件費削減のため、設定した時間に餌を落とす自動給餌機が広く利用されているが、餌無駄にしたり、逆に成長の好機を逃したりすることがあった。新システムは、既存の給餌機を利用、スマホなどでリアルタイムに給餌状況を見ることができ、摂餌が悪ければ即座に給餌機の稼働を止められる。

 映像の確認や給餌機の操作はスマホやタブレット、パソコンで遠隔地から行えるため、荒天時に沖へ出る危険性もない。省人・省力化にも貢献する。カメラやコントローラーはイケス上の給餌機に設置しており、「水中からも摂餌行動を見たい」という提案も多い。藤原代表取締役は「水中・水上のどちらからも監視できる製品の開発にも取り組んでいる」と話し、実用化を急いでいる。[....]