スコットランド産シーフード?/職人技多彩にスモーク

2018年8月10日

熟練の技で作られるスモークサーモン

 スコットランドでサーモン養殖が始まったのは1960年代。国がハイランド地方で水力発電を推進しようとした際、ダム建設によりサケが遡(そ)上しにくくなることへの対策として、山間の零細農家にサーモン養殖を推奨したことがきっかけだったという。
 ハイランド地方の沿岸にはフィヨルドが数多くあり、サーモン養殖はこの地形を利用して始められた。陸域から栄養が豊富に流れ込み、嵐の時には「天然のシェルター」にもなるフィヨルドはサーモン養殖にはうってつけの環境で、養殖事業は着実に進展。主力のアトランティックサーモンの生産量は当初の数百トンレベルから、近年は15万?17万トンで安定推移しており、世界の養殖サーモンとしてはノルウェー、チリに次ぐ第3位の生産規模に成長している。品質的にも高い評価を得ており、フランス政府の権威ある品質認証「ラベル・ルージュ」の外国産第1号の認定食品になっている。
 ロッホ・ファイン・オイスターズは、そんなスコットランド産サーモンの魅力を、独自のスモーク技術により余すことなく引き出している加工業者だ。原料のアトランティックサーモンをフィレーにしたあと、砂糖と塩を均等にまぶし、5度Cの部屋で約18時間あん蒸、その後、燻製庫に入れて20?21度Cの煙でスモークして作る。[....]