サンマ昨年から半減、前半2万トンに届かず過去最低か

2017年9月29日

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大船渡の入札前に見本を確認する買い人ら

 漁業情報サービスセンター(JAFIC)によると、全国主要調査港における8月1日?9月27日までの生鮮サンマ水揚量は1万7032トン(前年同期比55%減)となり、昨年から半減した。10月以降は大きな好転は見込めず漁期全体で過去最低を記録する可能性が高くなってきた。

 漁期前調査では漁期前半(8?9月)は日本沿岸に近い1区の資源量が昨年より多く、昨年の不漁要因の一つとされた暖水塊の消滅から、昨年を上回る予測が出ていた。しかし「現段階で2万トンに届いておらず、昨年よりかなり悪い状況。過去最低を記録する可能性がある」(JAFIC担当者)。魚体も130?110グラムの痩せ型主体で組成も悪く、従来の加工向けサイズが生鮮に回っている。

 不漁から平均単価は9月下旬で331円(112円)となり、昨年以上に高値で推移している。

 本州屈指のサンマ水揚げ港である大船渡では28日、3隻の大型サンマ棒受網船が102トンを水揚げした。昨年の船別水揚高で全国2位だった第3太喜丸(長崎県雲仙市、マル井水産)の井上太喜漁労長(同社副社長)は「魚影がソナーに映らない。それほど魚が少ない」と話す。大船渡魚市場の佐藤光男専務は「3年連続の不漁が、復興の足を引っ張っている」と厳しい表情で語った。[....]