サンマ前半が勝負資源悪いが好海況、JAFIC研究会

2017年8月29日

今年の来遊予測などが報告された研究会

 漁業情報サービスセンター(JAFIC)は25日、東京都内で第36回JAFIC漁業情報研究会「サンマ資源の動向をさぐる」を開いた。調査では沖合の分布量が激減している一方、暖水塊がなくなったことで今年の漁場は沿岸に寄り、10月末までの漁期前半は来遊量が上回る見通し。11月以降の後半は漁況が急激に悪化する可能性が高く、漁期前半の操業が勝負どころとなりそうだ。

 水産研究・教育機構東北区水産研究所の木所英昭氏は、漁期前に行ったサンマの資源量調査の結果として、サンマは北太平洋に広く分布しており、調査では日本近海に近い海域から、1区・2区・3区に区分している。今年は1区の資源量が昨年より多く、これらが来遊する漁期前半(8?10月前半)は来遊量が昨年を上回る見通しだ。一方、2区は昨年の半分以下に激減しており、これらが来遊する10月後半以降は来遊量が昨年を下回る予測。「漁期全体では昨年を下回る見通し」と話した。

 JAFICの渡邉一功氏は「分布は悪いが、10月までは漁場が沿岸寄りで、効率的に漁獲しやすい」と、昨年より明るい材料を提供した。[....]