クロマグロ2年続け超過なら減枠も、太田水産庁審議

2017年10月20日

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「小型枠死守しかない」と訴える太田審議官

 北海道・南かやべの定置網が太平洋クロマグロの小型魚(30キロ未満)を大量漁獲し、共同管理に参加していた全国の定置網が「操業自粛」に追い込まれた問題で、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の政府代表である水産庁の太田愼吾審議官が水産経済新聞のインタビューに応え、今回の事態を「もしこのまま国の枠が超過することにでもなれば、増枠どころか減枠にもなりかねない」と危機感を示したうえ、「我慢する」資源管理を呼び掛けた。

 太田審議官は、7月の超過に続いて大量漁獲が行われたことに、「1日だけでなく数日にわたり、合計300トンを超える漁獲が行われたと聞いて愕(がく)然としている」と事態の深刻さを表現。全国の定置網に自粛要請が出る事態になったことについても、「オーバーした理由や再発防止策を説明し許されるのは一度きり。2年連続はなく、減枠の可能性さえある」と、もし今期も小型魚漁獲が国の枠を超えるようなことになれば国際会議の場でも厳しい立場に立たされる見通しを示した。

 クロマグロ資源は「もはや国際資源であり、自分たちだけで何も決められない資源。自分たちの資源という考えを変えてもらわないといけない」と意識改革の必要性を指摘した。

 一方、超過が起きてしまったことには、「現場への周知が足りなかったかもしれない」とし、水産庁としても資源管理に関する現場への周知を徹底していく必要性があると述べた。[....]