[933]カツオ・マグロ漁業の制度見直し(24年8月1日から導入)の概要

2012年8月29日

カツオ・マグロ漁業については国際的な漁業管理の強化や国際競争力のある経営体を育成するといった観点から操業規制の見直しが行われることになっています。この8月1日は5年に1度の漁業許可の更新時期に当たりますが、水産庁ではこの更新に併せて制度を見直しましたので、その概要をお伝えします。

  1. 1.転載および国外陸揚げ制度の見直し
    従来、洋上転載は禁止されていましたが、地域漁業管理機関による転載オブザーバー制度の開始を受け、洋上転載を許可制とするとともに転載オブザーバー乗船制度を設けてきたところです。
    最近、この制度が現場レベルで浸透したことを受け、「洋上転載許可」は廃止し、漁業許可を得たカツオ・マグロ漁業者が、中西部太平洋を含む全ての海域において従来の転載許可に明記されていた制限または条件(オブザーバーが乗船した登録運搬船に転載することなど)を満たした転載であれば、許可は不要とすることとしました。
    同様に港内転載および国外陸揚げも漁業許可を得たカツオ・マグロ漁業者が従来の制限または条件を満たせば許可は不要とすることとしました。
  2. 2.漁獲管理制度の見直し
    カツオ・マグロ漁業のうち、遠洋マグロ延縄漁業の漁獲管理は漁獲成績報告書による漁獲実績の把握と日報・旬報による特定のマグロ類(大西洋クロマグロ、中西部太平洋などのメバチ、その他)の漁獲実績の把握を行ってきましたが、20年に漁獲実績の提出方法を10日に1回とする見直しを行い、この制度が現場に十分定着したことを受け、漁績で代替できる旬報は廃止することとしました。なお、漁獲実績と大西洋クロマグロの日報などは引き続き報告する必要がありますので注意ください。
  3. 3.WCPFCオブザーバーの乗船命令の新設
    中西部太平洋まぐろ類保存委員会(WCPFC)の決定により、カツオ・マグロ漁業のうちマグロ延縄漁業は、WCPFCオブザーバーを一定水準乗船させなければならないことから、この乗船を確実に実施するため農林水産大臣がオブザーバーの乗船命令を発出できる制度を新たに設けました。
  4. 4.英文の許可証明書の発給
    中西部太平洋を中心に外国取締当局による公海洋上臨検や入港国検査が実施されています。これらの検査などの際に生じる障害の回避を目的として、漁業許可の内容などを記した英文許可証明書を発給することとしましたので、漁業許可と併せて船内に備え付けてください。

以上についての詳細は水産庁漁業調整課(?03?6744?2364)宛、あるいはご所属団体にお問い合わせください。
最後になりますが、カツオ・マグロ漁業の継続的な操業を確保するため引き続き漁業関係法令の遵守に努めて頂くことをお願いするともに、皆様の幸漁と安全航海を祈念しております。

(水産庁国際課)