[1041]インド洋マグロ類委員会(IOTC)第20回年次会合の結果について

2017年10月11日

 今回は去る5月22日から26日まで、インドネシアのジョグジャカルタにおいて開催されましたインド洋まぐろ類委員会(IOTC)第21回年次会合の結果についてお知らせします。

 今回の会合には、日本、EU、韓国、中国、豪州、インドネシア、南アフリカ、スリランカ、セイシェルなど26ヶ国・地域の参加があり、我が国からは水産庁、外務省、国立研究開発法人水産研究・教育機構国際水産資源研究所、海外漁業協力財団及び関連漁業団体の関係者が出席しました。

 今回の会議では、科学委員会から資源状態が良好でないと指摘されているキハダについて、昨年採択された保存管理措置の見直しが沿岸開発途上国などから提案されました。

 関係国による議論の結果、まき網漁船1隻当たりの集魚装置(FADs)について、一度に設置できる数を425個から350個に削減し、また、1年間に設置できる数を850個から700個に削減することとなりました。

 一方、同様に科学委員会から資源状態が良好ではないと指摘されているカジキ類についてもEUから新たな保存管理措置の提案があり、議論が行われましたが、沿岸開発途上国を中心とした反対により、保存管理措置は採択されませんでした。

 また、はえ縄漁業で混獲されるサメ類について、ヒレの船上での切り離しを禁止する措置がEUから提案されました。

 豪州や沿岸開発途上国など多くの国がこれを支持しましたが、船上で漁獲物をどのように扱うかについては資源管理と関係がないとして、我が国、中国及び韓国が反対した結果、冷凍保存されるサメ類については適用除外とする形で採択されました。

 このほか、新たな事務局長として、クリストファー・オブライアン氏(豪州、NZ両国の国籍を保有)が指名され、任期は2年とされました。

 IOTCはFAO憲章に基づく協定により設置された地域漁業管理機関であるため、2年後の新たな事務局長の選出方法について、今後、FAOと関係国の間で議論が行われることとなっています。

 なお、次回年次会合については、2018年にタイで開催される予定です。

(水産庁国際課)