「食品ロス削減法」が成立、基本方針と推進計画策定へ

2019年5月27日

 食べることができるのに廃棄されてしまう、いわゆる食品ロス。この削減を目指す「食品ロスの削減の推進に関する法律」(食品ロス削減推進法)が24日の参院本会議で全会一致で可決・成立した。今後、政府は基本方針を閣議決定、自治体も食品ロス削減計画を策定。各種対策を進めていく。

 同法は超党派の議連(食品ロス削減・フードバンク支援推進議員連盟)が議員立法により成立を目指してきた。農林水産省が4月に取りまとめた食品ロス量の推計では、2016年度の段階で約643万トン(事業系352万トン、家庭系291万トン)と、前年度から3万トン減少したものの、依然として高い水準にとどまる。

 今後は政府の基本方針策定を受けて具体的な取り組みが始まるが、各種支援策や調査研究などに加え、事業者や消費者への教育・学習、普及啓発、さらに貧困や災害などで必要な食料を十分に入手できない人に提供する活動(フードバンク活動)が円滑に進められることも盛り込まれた。啓発の一環として10月を「食品ロス削減月間」にし、表彰制度なども設ける。

 農林漁業者や食品関係事業者にも政府・自治体の施策に協力し、必要な施策を積極的に取り組むことを求めた。消費者にも理解と関心を深め、食品購入や調理法の改善など取り組むよう求めている。[....]