<魚食にっぽん>[101]/広がるホヤ食、鮮度の壁打破

2019年6月24日

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活ホヤの刺身㊦和食・洋食・中華などホヤを使った多彩な料理㊤

 「産地で食べてこそ、おいしい海産物」の代表格に「ホヤ」がある。ただ近年は、鮮度を重視した加工・冷凍技術で、遠隔地でも産地の味を楽しめるようになってきた。まだまだホヤを知らない消費者は多いが、だからこそ提案次第で消費動向が様変わりする可能性の高い食材でもある。

 ホヤは甘み・苦み・酸味・塩味・うま味と、味の5要素すべてをもつ。唯一無二の存在だが、多くの消費者には“未知の食材”のままだ。理由は足の早さ。収穫後は時間の経過とともに、自己消化酵素の働きで特有の風味が強調されやすい。これが「臭い」というイメージとして定着してしまった。

 だが、よりホヤを理解した加工で、おいしく食べられる時間が劇的に伸びた加工品が増えている。

 水揚げされたホヤは、冷海水で生きたまま加工場へ運ばれ、素早く殻と内蔵を除いてむき身にすることで、臭さは激減。空気に触れると黒くなりやすいが、内臓除去後すぐに真空凍結することで、時間経過による褐変や臭みの発生を抑えた。近年、確立されたマニュアルだ。

 定番の「酢の物」以外の料理が増えてきた。天ぷらやフライ、炊き込みご飯など和食だけでなく、ホヤのだしをスープにしたラーメン、スペイン料理のアヒージョ、塩焼きそば「ホヤキソバ」も。[....]