<豊洲漂流・幻の開場日(下)>伊藤淳一東卸理事長に聞く

2016年12月13日

「移転のメリットきりがない」とインタビューに答える伊藤淳一・東卸理事長
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「移転のメリットきりがない」とインタビューに答える伊藤淳一・東卸理事長

 東京・豊洲市場の開場延期の発端が、500社超の水産仲卸業者の一部にくすぶっていた移転を拒否する声が小池百合子都知事の耳に届いたことだったように、水産仲卸の組合・東京魚市場卸協同組合(東卸)内には、さまざまな意見が混在する。意見集約一つにも長い時間をかけて大変な苦労を重ねてきた。東卸の伊藤淳一理事長が、移転延期の状況をインタビューに答えてくれた。

 東卸は転廃業者に対する支援策として(転廃業希望者の営業権を希望者へ予約譲渡する交渉を取り持つ)マッチング推進事業(実績は45事業所)を独自に進めてきた。だが開場が急遽(きょ)延期になり、営業権を取得した業者に大きな問題が発生している。

 豊洲では営業権譲渡を考慮し、店舗抽選時に互いに隣接する場所に店を並べるなどしたはずだった。開場が延びたことで、転廃業希望者だけが先に店を畳み、譲渡された業者は、利用が難しい離れの築地の店舗を抱えて苦しんでいる。豊洲で進めていた大型店舗の造作(内装)工事の負担も大きい。

 組合自体の損失は分かるが、500社超の実態すべては把握できない。

 築地市場業界は長年、さまざまな議論を積み重ねて意見を集約し、合意形成を図ってきた。それらをすべてないものとして、ある日突然、延期だとの決断を下されては、たまったものではない。
豊洲は築地市場の改善形、発展形でしかない。移転のメリットを挙げれば切りがない。小池知事は責任をもって、豊洲市場に影響がないよう環状2号線にも対応してほしい[....]