<水経塾>東部太平洋メバチ資源、回復は本物か?

2017年7月20日

卓越年級群は“見かけ上”の恐れがある、など語る鈴木治郎・客員研究員
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卓越年級群は“見かけ上”の恐れがある、など語る鈴木治郎・客員研究員

 ◆鈴木治郎・国際水産資源研究所・客員研究員/2017年に行われた最新の東部太平洋メバチの資源評価結果は、資源状態が改善し、神戸チャートの緑の領域、つまり、資源は乱獲状態でもないし、乱獲されていない、となっている。しかしながら、この資源評価は少し楽観すぎると感じる。

 今回取り上げた東部太平洋の場合は、はえ縄の体長組成の経年変化にそのような明瞭な年級の遷移がみられないし、また、この年級が未成魚時代にまき網で大量に漁獲された明白な形跡もみられない。

 今回の資源評価は加入量の増加の可能性が高いとして、見切り発車した感がある。背景には、エルニーニョの年生まれの年級は卓越年級となりやすいという現象と関連しているようである。

 このような状態で親魚資源量の増加が可能であるのは、卓越年級などの出現による加入量の増加しかないが、今回の資源評価は加入量が本当に増加したのかどうかの検討が十分でないように思える。メバチなどの加入量変動はエルニーニョなどの大規模海洋変動と関連している可能性がある。

 資源量の増加は本物か、見かけ上のものか十分な精査を、8月の科学小委員会会合で行ってほしい。[....]