<新年特集・岩手の水産>成長産業化へ若い力が奮闘

2019年1月11日

起業化と給料制を導入した平子さん㊨と「稼ぎは頑張り次第」と語る馬場さん

 水産業の成長産業化実現には実行役となる若者の存在が欠かせない。人手不足が深刻化する中、いかにして新たな担い手を確保するか。東日本大震災から約8年、復興の総仕上げに挑む三陸・岩手の沿岸都市にとっても最重要課題。新年にあたり、IターンやUターンで漁業の世界に飛び込んだ県内の若手漁師たち、系統団体代表・大井誠治JF岩手漁連会長を取材し、そのヒントを探った。
 宮古市日出島漁港を拠点にホタテ養殖事業などを展開する(株)隆勝丸。「漁業で稼いで地域を盛り上げたい」。そんな思いをたぎらせ、38歳の若手漁師・平子昌彦さんが半年前に立ち上げた新顔の漁業会社だ。平子さんの出身は内陸の盛岡市水産とは全くの無縁だった。市内でサラリーマンをしていた時、宮古のホタテ漁師の娘で後に妻となる幸子さんと出会った。出会いが後の人生を大きく変えた。
 馬場清志さんが漁師の道に飛び込んだのは9年前。27歳の時だった。仙台市で長く建設業に従事していたが、「ずっと憧れだった」という漁業への思いを募らせ、生まれ故郷・洋野(ひろの)町で新たな一歩を踏み出した。祖父は地元でタコかごや刺網、アワビ獲りをしていた。祖父に時々だが船に乗せてもらいった。幼い心に「いつか洋野町で漁師に」という明確な目標が刻み込まれた。
結婚して子供もいたが、奥さんら家族を説得し、およそ20年越しで夢をかなえた。[....]