<全国青年・女性交流大会>ルポ/唐桑町浅海海漁業協青年部

2017年3月2日

児童らに耳吊り用に貝の殻の穴あけを指導する御野寺部長(左)

児童らに耳吊り用に貝の殻の穴あけを指導する御野寺部長(左)

 漁業の担い手不足は全国的な課題だが、JFみやぎ唐桑支所の唐桑町浅海漁業協議会青年部(小野寺芳浩部長)は、連携する小学校とカキ養殖の体験型教育システムを構築し、東日本大震災で被災した子供たちと海・漁業との距離を縮めている。

 かつて漁家の子供はウニやアワビが開口(操業)した日に、学校を休み漁に同行したそうだ。小野寺部長も学校より開口を優先した一人。その判断のよし悪しはさておき、幼い頃の経験は、海や漁業を知る格好の機会になったという。「地域から漁業の担い手は輩出されるのか」と思う機会が増えてきたある日、地元の気仙沼市立唐桑小学校から、同校支援委員である青年部に、「地域産業のカキ養殖をより深く学びたい」と協力依頼がきた。「漁業や海を知ってもらえるいい機会だ」と引き受けた。

 種苗から出荷まで3年かかる作業を、実際に3年かけて追い続ける体験学習支援事業を行っており、

 4年生はカキの生態を学びながら種カキを育て、5年生になるとそのカキに穴を開けて耳吊(づ)りする。6年生は温湯処理(付着物の除去)やカキむき、販売を通じ、カキを育てる工夫や生産の厳しさ・喜びなど実感させている。

 児童たちはカキが大きく育つさまを見て、食べて「おいしい」と感じることで唐桑の海の豊かさを知る。町で青年部員とすれ違うと、「カキのおんちゃん」と声を掛ける。小野寺部長は「漁家の子でなくても、海や漁業の距離が縮まってきたのかな」と、うれしく思うそうだ。10年を過ぎた現在も毎年協議して改善を繰り返している。[....]