鯨類利用、加藤海洋大名誉教授と田村鯨類研部長に聞く

2018年5月30日

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「生態系は多様性が重要」と説く加藤名誉教授(右)、「資源解明が進む」と語る田村部長(左)

 第Ⅱ期南極海鯨類捕獲調査(JARPA)初期の調査団長を務め、新北西太平洋鯨類科学調査(NEWREP-NP)の調査総括も務める加藤秀弘東京海洋大学名誉教授と、南極海鯨類調査の調査団長を務める日本鯨類研究所の田村力調査研究部長にこれまでの鯨類調査の意義と成果や課題を聞いた。
 ◇問い/鯨類捕獲調査を続ける意義とは。
◆加藤名誉教授/産業も多様性が高くなければ強くないのと同じで、生態系も多様性が非常に重要。新計画の沿岸域調査でミンククジラの北上ルートである仙台湾から釧路沖までより詳しい調査を行えるようになった。目視調査でナガスクジラが多く発見されるなど、大型鯨類の資源は回復している。
◆田村部長/南極海のクロミンククジラに関しては高位安定しており、今の資源状態でいえば、年間1000頭捕獲しても問題ないレベルにあるのではないか。シロナガスなどの大型鯨類の資源もかなり回復してきており、そのため競合するミンクの皮厚が薄くなって、分布する海域も(競合種の少ない)南の方に追いやられているなど変化してきている。
 沿岸域で近年宮城・鮎川海域での捕獲が少ないのは餌資源であるイカナゴなどが大きく減少したことが大きいと考えている。11年の東日本大震災後、海底の状況が変わったためか、イカナゴがぱったり獲れなくなった。餌があれば鯨類はそこにとどまるだろうと思う。[....]