鮮魚を「スーパーチリング」で輸出、道工技など実証へ

2017年4月6日

 北海道立工業技術センター(函館)と食品加工機械メーカーの㈱ニッコー(釧路)など6機関は今年度、ニッコーの製氷機「海氷」を活用し水産物を高鮮度で海外輸送する実証試験を行う。シャーベット氷と脱水氷を使い、漁獲直後から一貫して「スーパーチリング」と呼ばれる低温度帯を維持することで高鮮度を保つとともに、物流コスト削減効果も検証する。

 国の「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」活用事業の2年目。初年度はニッコーが主体となって実証事業で使う小型漁船用の新たなタイプの海氷を開発した。

 航行中に海水を取り込み、超微細で冷却効果の高いシャーベット氷「シルクアイス」を自動で連続供給するシステム。油圧で駆動させるようにし、発電設備のない船でも使えるようにした。

 今年度はこの新タイプの海氷を道南・森町の定置網漁船に導入して夏以降に試験。秋サケやブリを漁獲直後からシルクアイスを使って冷却する。さらに、水揚げ後の輸送ではシルクアイスから水分を抜いて重量を軽くした脱水氷「パウダースノーアイス」を活用。魚とともに魚箱に詰めて低温管理し、シンガポール(予定)に空輸する。

 輸送中0~マイナス5度Cの「スーパーチリング」帯を維持することを課題に据える。吉岡武也同センターの研究主幹によると、概念は数十年前から知られていたが、「実際の物流で温度のムラなくスーパーチリングを維持するには専用の設備が必要なため、実現されてこなかった」という。[....]