豊洲新市場移転延期に虚脱感と安堵感、諸問題は先送り

2016年9月5日

築地市場の鮮魚売場。現場で働く人々の頭痛の種は当面回避されたが・・・

 東京都の小池百合子知事による11月7日の豊洲市場開場延期の正式発表から一夜明けた1日、東京・築地市場では虚脱感と安堵(ど)感とで不思議な空気が漂った。移転慎重派に近い人たちが快哉(さい)を叫んだのはもちろん、移転に前向きだった卸の営業部門からも「目標がなくなり気が抜けた」と放心する人があり、さらには「豊洲での年末商戦がみえず不安だった。築地市場なら展望を描ける」と、本音をのぞかせる人もいた。
 11月7日に向けて動いていた移転準備は、工期のズレ込みと、豊洲の運用についての業界調整の難航で現場には焦りと手詰まり感があった。卸の平成28年度期の業績が振るわず、「上半期で稼ぎ、下半期の移転後の混乱に伴う業績のマイナスをカバーする」青写真は崩れていたことも、豊洲での年末商戦を敬遠したい気持ちを強くさせていた。移転に伴う困難が当面は先送りされた。、最終的にどこまで影響が広がるか、みえない財務リスクに頭を抱えているものの、経営陣は「表立って歓迎できないが『ホッとした』というのが本音の人も多いのでは」というつぶやきも聞こえてくる。
 ただ、ここに築地市場の継続使用による新たな課題が上積みされ、むしろ仕事量が増加した形だ。[....]