苦境イカ釣り船支援へクラウド資金調達、酒田市が活用

2017年6月16日

出航式の費用もクラウドファウンディングで捻出

 山形県酒田市が地域の主力漁業・中型イカ釣り船への支援事業費を全国的にも珍しいインターネットのクラウドファンディングを使って捻出している。知名度や話題性がなければ成功しにくい手法だが、「不漁に苦しむ漁業者を後押ししたい」との思いで“いかの街・酒田”のPRに力を注いでいる。

 クラウドファンディングは、立案者がインターネットを通じて不特定多数の人に広く資金提供を呼び掛ける手法。地域・規模・分野を問わず活用事例が増えている。

 行政が行う「ガバメントクラウドファンディング」は、日本国内での活用事例はまだ少数。、酒田市によると「イカ釣り漁を対象にしたものは国内で初」だという。同市はこれまでにも、船団の出航式を盛大に開催してきたほか、出荷用の段ボール箱や航海中の食料などを提供。支援策を「さらに充実させたい」との思いから、初の試みとしてクラウドファンディングの利用に踏み切った。

 目標金額を市の支援事業費と同額の674万3000円に設定。延べ79人から139万円が集まった。市は「次回はより多くの応募をいただけるよう、ホームページなどで周知を図りたい」意向だ。[....]