海中のDNA解析で魚種解明、JSTが画期的手法開発

2017年2月21日

採水した海水はDNA解析すれば魚種が1日で判明する

 その海域にどんな種類の魚がいるかを、魚が海水中に放出する排出物などのDNAを解析することで、短時間で明らかにできる画期的な技術を科学技術振興機構(JST)の事業研究グループ(研究代表者・近藤倫生龍谷大教授)が開発した。有用魚種の資源量や分布の推定、持続可能な漁業の推進、外来種の侵入や分布拡大の調査、アクセスが困難な深海、危険な汚染水域、生物採取禁止区域での活用が期待されている。

 JSTの戦略的創造研究推進事業で、神戸大学、京都大学、北海道大学、龍谷大学、千葉県立中央博物館の研究グループが、「環境DNA多種同時検出法」に着目。魚が排出物などを放出して海水中に存在するDNA(環境DNA)を回収・分析することで放出源となった魚種を特定する「環境DNA多種同時検出法(メタバーコーディング)」技術を活用した。これを日本沿岸のような魚種の多い場所でも網羅的に検出できるよう膨大なDNAデータを集積するなど改良を重ね、実用化の道をつけた。

 平成26年6月18日に京都府北部の舞鶴湾で改良DNA解析法を使って検証調査を行い、1日に合計47地点で採水された試料を解析した結果、128種の魚類のDNAを検出した。140回の潜水で観察された80種類の魚類の6割余りが含まれ、1日でこれまでの目視調査で観察された種の8割が検出できることになる。1月12日に、英国の科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

 藤教授は「周辺海域にどんな魚が生息しているかが短時間の調査で解明できる。有用資源の分布推定、持続可能な漁業の推進が期待できる」と語っている。[....]