改悪漁業法成立でいいか/濱本俊策香川県漁業調整委会長

2018年12月7日

6日の参院農林水産委員会。濱本氏ら3氏が賛否それぞれ意見陳述した

6日の参院農林水産委員会。濱本氏ら3氏が賛否それぞれ意見陳述した

 5月24日、水産庁は大方の予想を裏切ってセンセーショナルな「水産政策の改革(案)」を発表。形だけの説明会を経て、11月6日には改革法案が閣議決定され、29日には衆院を通過。参院での審議・採決を残すのみとなり、戦後70年の長きにわたって漁業者の生活を支えてきた漁業法が、極めて拙速にわずか半年で成立してしまう異常事態にわれわれは直面している。
 新法には、大きな混乱を引き起こす2つの「廃止」がある。「海区漁業調整委員会委員の公選制の廃止」と「免許の優先順位の廃止」である。
 水産庁や全漁連がいう通り、「適切かつ有効」がこれまでの優先性に代わるものであるというならば、当然に「適切かつ有効」の要件をきっちりと新法に明記すべきである。それもなしに、水産庁は5年ごとの漁業権の一斉更新時に、都道府県知事あてに発出してきた「技術的助言」で今後示していく、と公言している。法的拘束力もない手法では、公平性の維持も難しく、知事による恣(し)意性も排除されない。新法は、都道府県ごとでバラバラな漁業制度の構築を許してしまう恐れが強い。
 衆院農林水産委員会は11月28日の採決にあたって、「適切かつ有効の基準の明確化」「知事による不当免許の取り消し」など、9項目の付帯決議がなされた。年月の経過とともにその効力減衰が心配だが、今はこれにすがるしかない。あとは新法第6条に規定する通り、今後起きるであろう漁場での紛争の防止とその解決を図る措置を、国と都道府県が責任をもって講じることである。[....]