対馬と大隅海峡に直轄湧昇マウンド礁、隠岐に1基追加

2017年3月15日

マウンド漁礁のイメージ図

 水産庁が排他的経済水域(EEZ)で実施する直轄のフロンティア漁場整備事業で平成29年度から湧昇マウンド礁の整備を新たに2か所追加することが分かった。工事が始まっている隠岐海峡区域(島根)も1基を追加する。10日に都内で開かれた水産土木建設技術センター(宇賀神義宣理事長)のセミナーで三上信雄上席専門官が明らかにした。29年度予算が成立後、本格調査に着手する。

 対馬海峡(長崎)と大隅海峡(鹿児島)の2か所で、33年度までにそれぞれマウンド礁を1基ずつ設置する。総事業費は対馬が42億円、大隅は37億円を見込む。さらに隠岐海峡地区でも32年度までにもう1基追加。これにより事業費も当初の34億円から55億円となる。

 いずれも浮魚のマアジ、マサバ、マイワシが対象魚種だが、各海域での漁業形態などから主対象は対馬がマアジ、大隅はマサバ、隠岐はマイワシと定めた。海域や潮流などを調べマウンドの高さや形状などを決める。先行して広域漁業調整委員会や関係県との協議は進めており、予算成立後は速やかに現地調査に入る。大隅海峡地区では海域指定の政令改正も必要になるため、準備を進めている。

 マウンド礁は、海底に高さ15~30メートル、幅20~30メートル、長さ100~200メートル程度の山を設置することで、海底を流れる栄養塩類を有光層の海面近くにまで浮上させる仕組み。これにより植物プランクトンが増加し、動物プランクトンも増加。それを捕食する小型の浮魚や中・大型魚も集まる。上昇から沈降してきた有機物も加わって底生生物が増加。マウンドを中心に海面から海底まで生態系が形成され、自主的な操業自粛と併せれば大きな増殖効果が期待できる。[....]