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寄港防止措置協定でIUU撲滅、森下海洋大教授が講演

2018年5月18日

 水産ジャーナリストの会が16日に都内で開かれ、東京海洋大学の森下丈二教授(国際捕鯨委員会〈IWC〉日本政府代表)が違法漁業防止寄港国措置協定(PSMA)について講演した。同協定は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策として、寄港国による措置を主眼に置いた初の多国間協定。日本は昨年6月に加入しており、森下氏は「IUU対策に積極的に取り組む姿勢を示すものだ。寄港国として国際的責任を果たす素地ができた」と意義を説明した。
 世界の漁船漁業生産約9000万トンのうち、IUU漁獲物は約2600万トンとも推定されている。森下氏は「IUU漁業を放置していては、資源が悪化してしまう。さらに合法な漁獲物と安価なIUU漁獲物が同居した状態は不公平で、まっとうな漁業者が損をする」と背景を説明した。
 森下氏によると「漁業問題の水平線が広がっている」。昔の漁業管理は「漁獲」段階の規制のみだったが、現在は水揚げ、流通、消費をカバーする必要があり、PSMAは「水揚げ」段階の抜け穴を防ぐために、2009年に採択され、25か国が批准した16年6月に発効。米国や豪州、ノルウェー、韓国など52か国と欧州連合(EU)が加入、日本は昨年6月に加わった。森下氏は「世界の水産資源の持続可能な利用にIUU漁業は脅威。国際社会と連携した実施が不可欠だ」と強調した。[....]