大型浮沈イケス商業化へ、新日鉄住金E3月尾鷲で試験

2017年2月1日

 新日鉄住金エンジニアリングは、三重県尾鷲市沖で大型浮沈式イケスの海洋実証試験を3月から始める計画を発表した。有義波高(大きな波の平均)7メートル、潮流2メートルの海域下でも、沈潜して養殖環境が維持できれば「養殖可能海域(面積)を約10倍に拡大できる」と試算。実証試験はブリを対象に尾鷲物産とJF三重外湾漁協、JF尾鷲漁協の協力を得て来年3月まで実施する。

 幅30メートル・深さ20メートルのイケス2基を用いる。水深約60メートルの尾鷲市須賀利地先海域で、水面から約15メートルまで沈めた状態で飼育し、水揚げやメンテナンス以外は浮上させない。約1年をかけて沈潜状態での耐久性やイケスの使い勝手、魚の成長度合いなどを確認する。

 飼育は尾鷲物産が担当する。昨年6月から事前試験を行っており、10メートル幅の小型イケスで浮沈機能を確認した。新日鉄住金エンジニアリングは、鉄製設備の設計・建設のノウハウを用い、昨年から水産業界へ参入している。先行して鳥取・境港沖に給餌用プラットフォームを建設し、遠隔操作で最長400メートル先のイケスへと餌を送る自動給餌システムの海洋実証試験に着手。ギンザケを対象に1月から連続運転を始めている。効果を確認したあと、同社は2つを合致させた大規模沖合養殖システムを商用化。今年度中に1号機の受注を目指し、将来はシステムの輸出も視野に入れてる。[....]