マグロ1秒で脂乗り評価、水研機構・相馬光学が商品化へ

2017年3月30日

マグロの脂乗り目利き評価。新装置は経験や勘に頼らず脂の数値が簡便に測定できると期待される

マグロの脂乗り目利き評価。新装置は経験や勘に頼らず脂の数値が簡便に測定できると期待される

 水産研究・教育機構の中央水産研究所と開発調査センターは、生鮮・凍結・解凍それぞれの状態で、マグロの脂肪含有量を非破壊で測定できる新たなハンディー型装置を開発、商品化を準備している。遠洋マグロはえ縄漁業に導入し、耐水・耐久性や測定の簡便さを確認した。天然マグロの脂質含有量が事前に分かれば、買い手側の不安要素が減るとともに、漁業者も操業計画に反映できる。

 光を利用した計測機器メーカーの相馬光学(東京・日の出町)と共同開発した。同社は食肉の脂肪部分に光を当てて、オレイン酸ほかの脂肪酸を測定し、肉のうま味を数値化する技術に実績をもつ。水と脂の電気伝導率の差を利用する既存方式と違い、光が脂質に当たり吸収した変化をとらえる近赤外分光法を採用し、魚体重や水揚げ後の時間、生鮮・凍結・解凍の状態を問わず、利用できる。

 脂肪含有量は身をミンチにして測定するが、4~5時間かかり専用の分析器も要する。簡易的には陸揚げ時に選別包丁で刺す、または尾部の切断面で判断するが、いずれも熟練技が必要。新装置は脱血処理のために切断し、露出した尾部にセンサーを当て測定する。片手で持てるサイズで、経験の浅い人でも1秒程度で行えて、値もその場で確認できる。実際に遠洋マグロはえ縄漁業調査船・開発丸に持ち込み、耐久性を確認。精度も陸上の実験室で測定した値と比べ遜色なかったという。

 引き続き検量モデルのデータを充実させ、より精度を高めて、来年度中の販売を予定する。[....]