クロアチア・クオリティー①/世界一の蓄養クロマグロ

2017年3月27日

次々と丁寧に水揚げされる「トロクロまぐろ」 

次々と丁寧に水揚げされる「トロクロまぐろ」 

 蓄養マグロをつくるうえで欠かせぬ製法、環境、人材。そのすべてを備えた品質(クオリティー)で世界から一目置かれるのがクロアチアだ。日本の水産物輸入商社・ジェイトレーディング(本社・東京)の神戸治郎社長はこのマグロに惚(ほ)れ込み、現地最大規模の生産業者を子会社化。鮮度管理技術などを応用し品質をさらに高めた独自ブランド「トロクロまぐろ」を2年前から展開、国際的に高い評価を得ている “クロアチア・クオリティー”の秘密を探ろうと2月、生産現場を訪ねた。
 欧州南東部のバルカン半島に位置し、地中海のアドリア海に接するクロアチア。旧ユーゴスラビアから1991年に独立し、人口は現在、約430万人。東京都の3分の1にすぎないが、美しい海や歴史情緒あふれる沿岸都市が点在し、その恩恵による観光を最大の産業としている。そんなクロアチアにとって、水産業の産業規模は決して大きくはない。だが、水産業における日本との関わりは深い。クロアチアからの対日輸出の9割が水産品で、そのほとんどを蓄養クロマグロが占めているからだ。
 クロアチアがクロマグロの生産地として成長した背景にはまずは自然環境。アドリア海に面し、もともと餌を求め来遊するクロマグロの回遊コース上にあるうえ、水深があり穏やかな沿岸の海は、大型のイケスを設置するのに適している。水温も夏から冬にかけて1016度Cとマグロの成長にベスト。マグロ蓄養を始めたのは、移民として豪州に渡りそこでミナミマグロの蓄養産業を世界に先駆けて立ち上げた人々。恵まれた環境と技術に、“クロアチア・クオリティー”の秘密が隠されている。[....]