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カツオ節で初のEU・HACCP、焼津の新丸正が取得

2017年2月9日

 水産庁は8日、静岡県焼津市の(株)新丸正(久野徳也社長)の鰹節工場(匠)をEU・HACCP水産加工施設に同日付で認定したと発表した。15日に認定書を交付する。欧州連合(EU)向けにカツオ節の加工施設が認定されるのは初めて。早ければ来年度にもEUへの輸出を開始する見込み。

 同社は、県や地元の漁協・海外まき網漁業船主らの協力も得ながら、足かけ5年かけて取得に取り組んでいた。EU向けは、衛生基準や発がん性のある物質ベンゾピレンの残留基準値なども厳しく、和食ブームで海外の需要が高まる一方、日本産のカツオ節は輸出できない状態だった。

 国内で一般的に流通しているカツオ節のベンゾピレン基準値は一キロ当たり30マイクログラム弱と、健康に何ら問題ないが、EUは、5マイクログラムと厳しい基準を設けている。同社と地元の加工業者が約5年前からベンゾピレン低減化に向けた加工(焙〈ばい〉乾)方法の技術開発に成功した。

 また輸出には工場だけでなく、関係する船や港も認証を受ける必要があるが、港の一部にEU対応の専用バースを設けたほか、海まき船の協力も得て実現した。

 久野社長は「輸入原料を使えば取得はさほど大変ではないが、地元の輸出インフラが整備できたことで、焼津のカツオ・マグロ加工品の対EU向け輸出に弾みがつけば」(同)と、カツオ節だけでなく、地元の水産加工品の輸出促進にも期待を寄せている。4月ごろをめどに欧州でプロモーションも計画。[....]