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ウナギ商戦、蒲焼の価格は抑制傾向へ

2012年7月9日

量販店・スーパーにおける水産のイベント商材で、最も力をもっているのがウナギ蒲焼だ。ただ今年は、3年連続シラスウナギ不漁に端を発した、春先の活鰻急騰と連動した蒲焼の値上がりと、そもそもの玉不足で敗戦ムード。昨年よりも高値の蒲焼が売場に並ぶのでは、との見方が大勢だった。しかし、7月の声を聞くと、西友が大々的に国産ウナギ蒲焼の値下げを発表。他社もほぼ同時に、昨年と遜色ない価格の特売を入れ始めるなど、本番(7月27日)を直前に控え、当初の予想とは逆に、売価を下げる方向に向かっている。

ここにきて、価格が下げに入った訳はいくつかあるが、最大の理由は、比較的伸びが期待できる4?6月の蒲焼販売がとにかく鈍かったことにある。国産長焼は1パック1500?2000円、中国産長焼も1000?1200円と、前年より高めの価格設定が目立った。これが消費者の理解を得られず、数量で2?5割減、金額が前年に届かない店舗が続出した。

たとえ環境が悪くとも、量販店・スーパーの担当者は、前年以上の売り上げ実績を求められる。そこで「値入れ(利益)率を思い切って下げ、売価を安くする動きが目立ち始めた」(業界筋)。中には特売で、昨年と同じく国産長焼を1000円以下で販売する店舗も現れるなど、値入れ率が限りなくゼロに近いのでは、と思われる事例さえ見受けられてきた。

例年のウナギ蒲焼は、単価が高い分、同じ値入れを維持すれば「利益がとれる商材」と関係者にもてはやされていた。ただ、今年はどちらかといえば、その期待感が薄れた印象。幸い、水産商材の代表格であるサケをはじめ、量販店・スーパーが安く入手できる商材が最近になって急速に増えており、失った利益はそれらで補えるという計算も立てられる。

生産・流通に携わっている関係者らは、このような販売現場の流れを好意的にみている。とにかく今年の春は、ウナギの「不足」と「高値」がマスコミ報道で大々的に取り上げられすぎて、消化が進まなかった。本番を前にして、活鰻相場が調整局面に入ったこと、スーパーの売価も下方修正したことが、消費意欲の刺激になればと大いに期待している...。[....]