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ぶつからない船実現へ水工研など水槽実験で運航に成功

2016年12月7日

3隻の模型船が同じ速度で航行、衝突せずに的地を経由する自動運転を維持した水槽実験

 船舶の航行安全を目的とした「自動衝突回避システム」の実現に向け、水産研究・教育機構水産工学研究所(水工研)と神戸大学が、複数の模型船が航行する水槽実験で船速を維持しつつ舵(かじ)を切って衝突を回避、目的地への航行再開に成功した。避航パターンを集積し最も安全な手法を判断するという人工知能に活用される「深層強化学習」により、経験を重ねるごとに精度を高めている。

 リアルタイムに他船を認識するため、同システムは船舶自動認識装置(AIS)情報を活用した。自船の航路や船速と、他船から受信した情報を解析し、衝突を予測すると進路を変える。11月29日に開始した水槽実験では、3隻の模型船が同じ速度で航行する中、各船が衝突をせずに、設定した目的地を経由する自動運転を維持した。

 同システムは他船と遭遇した際にとった行動をすべて蓄積。さまざまな状況に対応した経験の積み重ねで、最適判断への精度を上げる。実用化にはAISの全船搭載が条件で、現在は無人運転も法律で許可されていないが、水工研の松田秋彦漁船工学グループ長は、「警報の発信や操船アドバイスといった運航補助に向け利用価値は高い」と話す。今後は模型船を増隻しての実験や、故意に衝突させようとする船を回避できるかなど、さらなる高度化を進めていく。[....]