どう変わる水産物貿易、TPPの影響を検証

2016年1月1日

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 環太平洋経済連携協定(TPP)に日本が参加表明したのは、民主党政権だった2010年10月。12年12月に自民党が政権与党に返り咲いてもTPP推進の方向性は結局変わらず15年10月5日、大筋合意で決着した。交渉内容が関係者以外には一切明かされないため「TPPおばけ」とも揶揄されたが、今回の合意結果が貿易面でどう影響するのか、内容について整理した。
 TPP参加国は米国、カナダ、豪州、メキシコ、マレーシア、シンガポール、チリ、ペルー、ニュージーランド、ベトナム、ブルネイ、そして日本の12か国。世界初のマルチのFTA締結となった。
 日本が現在経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)を締結しているのは15か国。7か国と交渉中だ。TPP加盟国のうち、日本はすでに8か国と締結しており、米国、カナダ、ニュージーランドの3か国とは、TPPで初めて締結したことになる。これが、日・米FTAなどといわれる理由の一つだ。
 TPPの締結で初めて関税を削減および撤廃した品目も多く、初めて撤廃したのは91品目に上る。削減する品目数は308品目で全体の88・5%。削減も撤廃もしなかったのは海藻などの10品目のみだ。
 13年の実績では水産物の輸入額は1兆5797億円。このうち、TPP加盟国からの輸入額は約29・2%の4620億円。国別で最多はサケ・マス類の世界的生産拠点であるチリで1252億円。次いでスケソウやタラコの産地である米国から1207億円を輸入している。3位のベトナムからはイカやエビなど912億円を輸入[....]