「岩手サクラマス」期待膨らむ、増殖本格化で50万尾へ

2016年6月22日

放流を間近に控えたサクラマスの稚魚

 岩手県がサクラマスの増殖に力を入れている。厳しさを増す定置網漁業者の経営安定化に向けた取り組みで、主力の秋サケをしのぐ成長の早さ、市場価値の高さ、全般に漁獲が少ない春に回帰する真逆の生態に着目、3年前から種苗生産や放流、その効果的な手法の研究などを進めている。

 岩手県では、秋サケは「県の魚」として海面漁業の最重要魚種と位置付け、増殖事業に取り組んできた。しかし回帰率が低下。加えて東日本大震災で放流自体を行えず、震災後は回帰尾数の減少が顕著となり、定置網漁業者の収入が大きく落ち込んでいる。そこで着目したのがサクラマス。放流から回帰まで約5年かかる秋サケと比べ、2~3年で漁獲が見込めるうえ、魚価は平均しても2倍以上。盛漁期は秋サケと逆の春ということもあり、平成26年度から増殖に向け取り組みを本格化。27年には稚魚8000尾を放流。今年は18万尾超を予定し将来的には50万尾の生産体制構築を目指す。[....]